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ベテラン審査員から視たISO9001の改善 - プロセスの強化

Q.プロセス、あるいはプロセス管理がまだしっかりと身についていません

A.現状のISO9001認証取得企業の品質マニュアルには、QMS(品質マネジメントシステム)に必要なでプロセスを主要と支援に分けて設定し、その設定プロセス間の相互関係を関連図として表記しています。しかし設定されたプロセスは、システムとしての運用管理は十分とはいえません。すなわちプロセスアプローチの活動としては十分とはいえない状況にあります。プロセスは、品質方針と品質目標を達成する活動の場であることは言うまでもありませんが、QMSを運用管理する基本単位であり、この基本単位である各プロセスの足腰がしっかりしていなければ、品質目標の達成もおぼつか無い訳です。この足腰をしっかりとさせておくことがプロセスの運用管理といえます。


Q.足腰のしっかりしたプロセスとはどのようなことですか

A.足腰のしっかりしたプロセスとは、計画したことを達成する能力を維持しているということです。年度の売上・利益計画は、各プロセスに計画として落とし込まれ、予算化されてゆきます。このプロセスの計画が計画通りに達成できなければ、たちまち経営計画すなわち売上・利益計画に影響する結果となってしまいます。日常のプロセス活動の問題点が見過ごされていれば、それは計画の未達に繋がりかねません。


Q.プロセスの運用管理を効果的にするために規格4.1項の必要な判断基準と方法とは

A.この規格要求のシステムが弱いためプロセスの効果的運用管理が出来ていないのが実態です。そこでプロセスが順調に能力を維持し、計画は順調に遂行されているかを時々評価してみる必要があります。その評価のためには、年初にそのプロセスの能力を端的に表わすいくつかのチェックポイント、すなわち管理項目をどのような方法でどのような頻度でチェックするか、すなわち「監視・測定」するかを計画しておかなければならなりません。これが8.2.3項の要求事項になります。そして最も重要なことは、その評価、すなわち能力が維持されているかどうかを判断する基準が必要で、これがプロセスのPDCAを廻すキーとなるわけで、この判断基準が明確に設定されていない場合が多く視られます。


Q.判断基準とはどのようなものですか

A.例えば、製造プロセスの工程不良率の前年実績が、3.5%であったとします。この不良率3.5%が製造プロセスの現状能力というわけです。従って、この場合、管理項目が工程不良率、判断基準が3.5%という「管理指標」が設定されたことになり、同時に経営計画の製品原価設定に落とし込まれます。計画された頻度でこの管理指標を監視・測定していくことになり、3.5%を上回る不良率となれば、製造プロセスが本来の能力を発揮出来ていない、すなわち製造プロセスに問題が発生したとのシグナルとなり、不良率増加原因を早急に排除し再発防止、すなわち、処置と是正処置を実施しなければなりません。この問題を見過ごしたり、対策を取らなければ、忽ち製造原価は高くなり、利益計画が未達で終わることになります。


Q.年間を通じて管理指標が維持できれば運用管理されているということですか

A.まずは、足腰がしっかりとして来たことになります。しかしプロセスをさらに強化し、さらに高い品質目標に挑戦できるようにするためにはプロセスの継続的改善により高い管理指標の設定が期待されます。


Q.支援プロセスにも管理指標は必要ですか

A.ぜひ設定して下さい。プロセスとして設定したからには管理指標を明確にし、運用管理することが支援プロセスの強化に繋がります。支援プロセスとしては、教育・訓練、内部監査等がよく設定されますが、各プロセスの要員の力量維持・向上は、各プロセスの能力に影響しますから教育・訓練プロセスの管理指標として「力量」を監視する運用管理が考えられます。其の他、ヒューマンエラーによる工程トラブル件数、新製品立上げあるいは新設備導入時の早期工程安定化を目的とした要員教育計画の要素も管理指標として教育・訓練プロセスの能力を評価出来ます。

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