JISQ9100 航空・宇宙及び防衛産業向けマネジメントシステムの支援例

認証取得企業の概要

サイト 工場 1拠点(営業部門などすべて同じ拠点)
業種 機械設計
従業員 15名
支援機関 約1年(支援開始から登録まで)
認証規格 ISO9001 2年以上運用

1.企業様の状況、ご要望

依頼先様は、既に航空機関連治工具・部品の設計実績があり、ISO9001取得しておりましたが、納入業者からのご要望がありました。また従来の顧客以外への航空・宇宙分野での新たな販路、受注の拡大ため、航空・宇宙産業界における品質の国際パスポートとも言われるJISQ9100:2016の認証取得を判断されました。

2.JISQ9100取得支援の実施内容

(1)具体的な対応内容

JISQ9100は、ISO9001に航空・宇宙及び防衛産業特有の要求事項を追加した規格となります。そのため同社の既存ISO9001文書をベースとし、現行のISO9001での内容をインタビューし、問題点への対応、修正をしながら、コンサルタントが追加部分のサンプル文書を作成する対応を実施しました。

jisq9100

また、事前に要求事項の中には企業にとって経験の無い高いレベルの事項(下表参照)もありましたが、システム(仕組み)が企業にとってムリ・ムダとならない様に工夫しながら、スムース審査が行えるように対応を行いました。

追加されている要求事項例
・プロジェクトマネジメント
・リスクマネジメント
・携帯管理など多数
その他の審査対応
・タートル図作成対応

(2)除外する要求事項

支援企業様は、現時点では設計のみの対応でしたが、冒頭の通り販路拡大のご要望があり、また、将来的に製造を含む事業展開を検討しているため、製造に関する要求事項(箇条7.5の一部)を除外することもできましたが、今回は除外の無い(全ての要求事項を含む)システムとしました。

(3)実施例

ボーイング787の主翼用治工具の設計活動で記録一式を準備し、その結果、JISQ9100登録書の“航空”(*1)文言を入れることが出来ました。

*1:JISQ9100では実績がなくても認証取得は可能。但し、航空・宇宙・防衛の文言を記載する場合には、取引実績が必要となります。

3.当社担当コンサルタントのコメント

支援企業様は、同業種の実績がありましたが、JISQ9100への変更は、社員への業務負荷を特に懸念されていました。そのため、コンサルティングの初めに業務自体は従来通りであり、これまでのISO活動の問題点を修正、スリム化することで、新たに対応すべき内容も効率的な運用を実施により十分可能と説明しました。企業担当者様も前向きに理解していただき積極的に取り組みを実施していただきました。

4.支援先担当者からのコメント

JISQ9100への移行は、作業負荷の懸念、特に現場での抵抗感が強く、心配しておりましたが、初めに担当のコンサルタント様から、心配を払拭する内容説明があり導入に踏み切れました。実際に従来のISO9001ではかなり不要、意味がない作業が多いと指摘があり、これらの効率的な対応アドバイスいただきJISQ9100導入にも活かすことが出来ました。

国際的なベンダーリストである”IAQG-OASISデータベース(Web Site)”に登録することができましたので今後、販路拡大に期待したいです。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る