箇条4と他の箇条の関係
箇条4で組織の状況を理解します。これに基づいて箇条5で品質方針を設定し、それを実現するために箇条6で品質マネジメントシステムの計画及び品質目標策定します。そして、箇条8でこれらの要求事項の運用のための管理を決定し、実施します。
組織の状況とは
組織の状況とは、事業環境、組織環境ともいい、組織がその目標設定及び達成に向けてアプローチに影響を及ぼし得る、外部及び内部の課題をいいます。
4.1組織及びその状況の理解
組織は、組織の目的及び、戦略的な方向性に関連し、かつ、その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える、外部及び内部の課題を明確にすることを求めています。
組織の目標
組織の目標とは、組織が社会に存在する意義をいい、多くの場合はビジョン、使命などを通じて表現されます。
ビジョンとはトップマネジメントによって表明され、組織がどのようになりたいかについての願望を言います。
使命とは、トップマネジメントによって、表明された組織の存在目的をいいます
戦略的な方向性
戦略的方向性とは、組織の目的を達成するための中長期的な経営計画、中期目標などとして表示され、年次計画、月次目標などに展開されます。
戦略とは、長期的または全体的な目標を達成するための計画を言います。
規格が求める内部・外部の課題
組織の目的・戦略的方向性に関連する課題を決定し、その中で組織の品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与える課題を明確にする事で組織全体の課題ではありません。
組織の外部課題の一般例
- 社会
少子高齢化社会対応 - 政治
政権交代制作変更 - 経済環境
為替変動、税制変更 - 市場動向
市場規模の変化 - 競合状態
競合他社との格差 - 法規制
法例改正・規制緩和 - 顧客要求事項
高度な品質要求事項 - 外部提供者
外部提供者移転・廃業
組織の内部課題の一般例
- 市場拡大-海外展開-
- 資源確保-人・原材料-
- 新規事業-新製品・新サービス-
- パフォーマンス-市場品質問題-
- 企業業績-売上高・利益率-
- 設備-設備老朽化・性能不足-
- 組織体制-組織力強化-
- 原価低減-経費削減・無駄排除-
- 事業継続体制-緊急事態対応-
- 情報システム-情報漏洩-
- 業務合理化-生産性向上-
- 仕事環境-残業時間削減-
- 技術力-ものづくり・管理技術-
- 労働安全-労働災害発生ゼロ-
- 人材育成-経験者の退職-
- 災害-生産拠点の分散-
内部・外部の課題の監視・レビュー
組織は、内部・外部の情報について箇条9「パフォーマンスの管理」の9.1「監視・測定・分析及び評価」で監視し9.3の「マネジメントレビュー」でレビューし、常に最新化しておく必要があります。