利害関係者のニーズ及び期待の理解
組織は、意図した結果である顧客要求事項及び、適用される法例、規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供(継続的に実現し提供)する組織の能力に影響を与える次の事項を明確にする必要があります。
- 品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者
- 品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項(ニーズ・期待)
利害関係者明確化の主旨
組織が意図した結果を達成するには、顧客だけでなく、それに影響を与える密接に関連する利害関係者を特定し、その要求事項を理解する必要があるからです。
利害関係者とは
利害関係者とは、ある決定事項もしくは活動に影響を与え得るか、その影響を受け得るか、またそのその影響を受けると認識している、個人または組織をいいます
利害関係者は、組織の製品及びサービスを提供する供給側と、その製品及びサービスの提供を受ける需要側に存在します。
需要側の利害関係者
- 顧客
- 消費者(エンドユーザー)
- 流通業者(販売店・代理店)
- 法例・規制当局
- 業界団体
- 株主
供給側の利害関係者
- 組織のオーナー
- 組織の従業員
- 組織のために働く人
- 親会社
- 外部提供者
規格が明確化を求める利害関係者
規格が求める利害関係者は、一般的な利害関係者の中で、組織の品質マネジメントシステムに密接に関連すると、組織が特定した利害関係者をいいます
密接に関連する利害関係者とは、その要求事項(ニーズ・期待)が満たされないと、組織の意図した結果の達成に大きく影響を与える利害関係者をいいます。
顧客要求事項を満たすことによって、顧客満足の向上を図るには、顧客要求事項が不可欠ですから、組織の品質マネジメントに密接に関連する利害関係者の集団としては、顧客を重視し、特定することが、必要といえます。
利害関係者の要求事項の明確化
品質マネジメントシステムに密接に関連する利害関係者の要求事項、つまり、ニーズ及び期待は組織の製品及びサービスに関する要求事項ではなく、利害関係者の組織に対するニーズ及び期待を言います。
利害関係者のニーズ及び期待は、ニーズ・期待を別々にではなく、一つの概念として”利害関係者のニーズとなり期待となる”ことを明確にします。
組織が、品質マネジメントシステムに密接に関連すると決定した利害関係者集団のもつ共通した、ニーズ及び期待は何かを明確にし、理解するのであって、利害関係者一人ひとりのニーズを・期待を理解するものではありません。
ここで理解した密接に関連する利害関係者のニーズ及び期待をすべて満たすのではなく、その中から、組織の品質マネジメントシステムに、密接に関連するニーズ及び期待を明確にして理解することです。
利害関係者のニーズ・期待 | |
顧客 | ・品質要求事項に適合する商品 |
外部 提供者 |
・安定した受注、関係の継続性 ・情報の共有、適正な価格・納品 |
従業員 | ・雇用の安定 ・良好な作業環境 |
株主 | ・企業価値の維持、事業の継続 ・持続的な収益性、適切な利益 |
法当局 行政 |
・法令、規制順守 ・適切な申請、報告 |
上記の表は、一般的な例ですが、これら利害関係者集団と、そのニーズ及び期待が、組織の品質マネジメントシステムに」密接に関連するかを決定するのは、組織です。
密接に関連するニーズ・期待は、組織の意図した結果の達成に大きく影響を与えるかどうかで判断すると良いです。利害関係者のニーズ及び期待の中には、法令・帰省・許可・認可による強制的なものもあります。
ニーズ 期待の監視・レビュー
組織が明確にした利害関係者と、そのニーズ及び期待は箇条9・1の「監視、測定、分析及び評価」で監視することが求められています。
また箇条9・3の「マネジメントレビュー」でニーズ及び期待をトップマネジメントがレビューすることになってます。
レビューとは、設定された目標を達成するための対象の適切姓、妥当性、有効性の確定をいいます。