〜ISO9001:2008は2018年9月が有効期限です〜
1.改訂版ISO9001の発行時期
2015年7月のISO 9001:2008「品質マネジメントシステム-要求事項」の改訂版(案)にあたるFDIS 9001(国際規格原案/Draft International Standard)を経て、9月15日にISO 9001:2015が発行され、引き続きJIS版(日本語版)は11月に発行されました。
それに伴い、ISO 9001:2015発行後3年以内に新規格に移行する必要があり、移行審査を受けるにあたっては、QMS(品質マネジメントシステム)を改訂版ISO 9001に準拠して変更・運用している実績(内部監査、マネジメントレビュー)が必要となります。 また、運用開始時には、改めて新QMSの社員教育や内部監査員への教育も必要となります。
2.ISO9001:2015の構成
ISO 9001:2015版は、構成が大きく変わります。マネジメントシステムの共通構造(HLSと呼ばれる)を採用し、箇条4~10からなるPDCA(Plan:箇条4~7 Do:箇条8 Check:箇条9 Act:箇条10)で構成されています。
また、ISO 14001(環境)も、同様の箇条10からなる構成で、ISOマネジメントシステム規格構成の共通化が進んでいます。
ISO9001:2015に構成(10章立てに)
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3.ISO9001の主な改訂情報
ISO9001:2015の主な改訂内容は、現行のISO 9001:2008の基本的な取組みを活かしながら、他のISOマネジメントシステムの規格構成の共通化に伴い、全体的に強化・明確化されているのが特徴です。
今回の改訂は、一見大きな変更は無いように見受けられますが、①HLS②リスク及び機会への取組み等、新たに追加、補強される要求事項に対応するためには、組織には相当な負荷が掛かると推測します。
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4.推奨する改訂対応
- 品質マニュアルISO9001:2015版に合わせて全面的に改訂する。
・2008版との差分を理解。新規・追加事項を反映させる
・現実に即し、活用しやすいように、業務プロセスの規定や手順を改定する。
・文書類はできるだけ減らし、マネジメントシステムをシンプルにする。 - 新QMSを運用して内部監査、マネジメントレビューを実施し、移行審査に備える
・経営と一体になった有効的なマネジメントシステムを構築と、成果の評価を行う
※必要に応じて、ISO14001(環境)など、他のマネジメントシステムとの一元化も視野に言えて見直しをする